ロルフプラクティショナーしずの日記

2011-01-04 22:42:00

風邪の効用 ~風邪からみる自然治癒力~

 このお正月休みに読んでいた本が、なかなかおもしろかった。

野口整体の父、野口晴哉(のぐちはるちか)先生の「風邪の効用」です。


風邪の気になるシーズンですが、とにかく一言でいうと・・・

「風邪は早く治そうとしてはいけない!

なるべく自然に通りすぎるように過ごすことが大切。」 ということなのです。



以前読んだ野口先生の「整体入門」の中にも風邪について書かれた章があって

風邪は ” 歪んだからだのバランスを取り戻すためにひく ”

ということを知り、驚いた経験がありました。



風邪だけで1冊の本になってしまうくらい、風邪の原因は様々で奥が深いもの。

本の表題は「風邪」となっていますが、あらゆる病に当てはまると思うし

自分のからだやこころと、どう関わっていくのかを考えさせられます。

最近の健康ブームに疑問を投げかける内容です。


”風邪をひく心のあり方”とか、タイプ別の症状など自分や家族を知る参考にもなります。

病は闘うものではなく
いかに受け入れ、観察し、うまく過ごして活用するか。

が 全編に渡って伝えられているメッセージです。



野口先生によると、風邪をこまめにひくと癌や結核などの大病もうまく処理されるそう。

全く風邪を引かない人に限って、ある日ぽっくりいくことが多いのだとか。
それだけからだが鈍感になっている。という事らしいです。(ドキッ)

風邪をうまく過ごすと、回復後からだが一新されて活き活きする・・・など

ムリに治さず自然に過ぎることで、メリットが多くあるようです。


そういえば、うちの息子も風邪で2~3日寝ている間に身長が4~5センチ伸びて
布団から起きてきた息子を見上げて驚いた。ということがありました。

成長期の子供達には特にそんな効用もあるようです。
おたふく風邪の後、オトナっぽくなるとか・・

ちょうど私も、この本を読んでいる最中に
今までなら見落としていた風邪の症状を自覚することができ
書かれている症状が順番にやってきて
その間の治癒経過を身をもって観察できておもしろかったのです。

やっぱり風邪でからだのゆがみを調整してるのだなー。

おもしろいところでは、「寝相」にも触れていて

寝相は、寝てるときに無意識に行っている、自然の整体のようなもの(活元運動とも言う)とあり、
足を組んだり、手を伸ばしたり・・・なるほど気持ちのいい方に寝返って
一晩中整体していると思えば
上手に(?)寝てたときの朝って、肩こり、腰痛などが和らいでいるものです。

そのためには脳をリラックスさせて、熟睡してる必要がありそうです。


専門的な内容も含みますが、自然治癒に関心のある方なら

どなたが読んでも役に立つ、新しい視点を与えてくれる素晴らしい一冊です。


「愉気」という手当てについても、触れられていて(気功やレイキのような手当法です)
治って欲しいとか、パワーを与えようとか「我」をいれない、「天心」で手当てすることが一番大切だ
と触れておられて、レイキや手当て法を行う方が読んでも参考になると思います。

文庫なのがまたいいです。




風邪の効用  野口晴哉 著  ちくま文庫